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梅毒に感染しているかどうか、この症状が梅毒性のものかどうかは基本的に血液検査で判定します。

梅毒の血液検査は、RPR法とTPHA法あるいはFTA-ABS法があり、これらの2つの検査を組み合わせてそれぞれの検査結果が陽性か陰性かの組み合わせで感染しているのかどうか、治癒しているのかどうかを判定していきます。

検査法についての詳細はここでは省きます。

RPR法とTPHA法(またはFTA-ABS法)のいずれもが陰性の場合これは梅毒には感染していません。
また、いずれもが陽性であればこれは感染していることになります。

それでは、どちらか一方だけが陽性の場合はどうでしょうか?

まずRPR法だけが陽性の場合。
これは生物学的偽陽性といって、梅毒には感染していないのですがリウマチや膠原病などの疾患や妊娠などでみられることがあります。

それでは逆にTPHA法(またははFTA-ABS法)だけが陽性の場合はどうでしょう。
これは梅毒には感染していましたが、治療して治っているということです。

TPHA法(またははFTA-ABS法)は、治療を行って治ったからといってすぐには陰性にはならない場合が多いのです。
第二期以降、トレポネーマが全身に回ってから治療をした場合はTPHA法(またはFTA-ABS法)の値がなかなか下がらないことが多いようです。

RPR法は感染から3週間ほどしないと検査では陽性にならないので思い当たることがあって、すぐに検査をして陰性となっても安心はできません。
またTPHA法(またはFTA-ABS法)では、さらに3週間感染から6週間ほど経たないと陽性にはならないので感染したかどうかは、6週間を経ないとしっかりした判定は難しいところがあります。
また、初期硬結、硬性下疳、扁平コンジローマなどの症状がある場合には、これらの表面から検体と採って、染色をするとトレポネーマの存在を確認することができ感染の判定になることもあります。

疑わしいときには、医療機関を受診して検査を行ってみることをお勧めします。
 


イボや発疹が自然に消えたからといっても治ったわけではなく、病気はもう一歩進んでいきます。

梅毒の感染から3年以上経つと腕や大腿に大きく盛り上がった発疹がいくつかできて、やがてこれらが崩れて潰瘍のようになり、重なりあって広がっていきます。
これがゴム腫と言われるものでやはり痛みはありません。ただしこれは消えることもないのです。
そして、感染から10年以上経つと心臓血管系や中枢神経系が侵されて、大動脈炎、大動脈瘤が見られたり、脊髄癆(せきずいろう)や進行性麻痺などの症状も現れてきます。いわゆる脳梅毒、といわれるものです。
しかし、梅毒の原因菌トレポネーマは抗生物質に反応しやすいので近年ではここまで進行したものは、ほとんど見られませんでした。

 

しかし、HIV感染症やエイズの出現によって状況はまた変わってきたようです。
エイズウイルスは、人の免疫機構を低下させ破壊することによって病気を進行させていきます。
このエイズウイルスと梅毒が同時に感染することによって10年以上かかった心臓血管系や中枢神経の症状が、なんと3,4年で見られることがあるのです。
免疫機構が弱くなることによって、一気に病状が進んでしまうことになってしまうのです。
また、免疫が弱っている状態では梅毒の他にも様々な細菌やウイルスにも感染しやすくなっているので治療は困難。一筋縄ではいかない状況になっています。

くれぐれもエイズウイルスの感染には、気をつけてください。
 


梅毒のもう一つの特徴に症状が出たり消えたりして病状が進行していくという事があります。

感染後3週間くらいしてできたしこり(初期硬結)や潰瘍(硬性下疳)は痛みもなく、3週間ほどして自然に消えていきます。

でもこれで治ったわけではなく、トレポネーマ(Treponema pallidum)は感染した所から全身に広がり始めて、3ヶ月くらいすると次の症状を現します。

手のひらに、赤褐色(赤黒い感じ)で小豆からエンドウ豆くらいの大きさの発疹ができたり身体には、バラ疹と言われる淡紅色の目立たない細かな発疹ができたりします。

肛門の周囲には、扁平コンジローマといわれるイボのようなものができることがありこれは、しばしば尖圭コンジローマと間違われることもあります。
この扁平コンジローマには、トレポネーマが多数存在して接触すれば感染の可能性はかなり高くなります。

また喉にも梅毒性アンギーナといって、扁桃のところに腫れや潰瘍ができることもあります。

普通このような症状がでれば、痛みや痒みを伴いますが梅毒ではこのようなことがなく、自然に発疹やイボ状のもの、潰瘍などは消えていきます。

症状がなくなったから治ったのではなく発疹やイボなどが出たり消えたりを繰り返して病状を進行させていきます。
 


梅毒の感染が急速に広まってきた原因のひとつに何か症状がでても、痛みや痒みを伴わないという事があるります。

淋病は、男性では大量の膿が尿道から出て強烈な痛みがあります。ヘルペスでは性器に水疱ができてこれも痛みが伴います。

梅毒に感染すると、3週間ほどして性器に小豆くらいの大きさで硬いしこりのようなものが現れます。
しばらくすると、このしこりが崩れて潰瘍のようになります。
このあとに、そけい部リンパ節(足の付け根のリンパ腺)が腫れてきます。

このしこりも潰瘍もリンパ腺が腫れるのもすべて痛みはなく、3週間ほどで症状は自然に消えていきます。

しかし梅毒はこれで治ってしまったわけでは、もちろんありません。

ここまでは感染の原因菌であるトレポネーマは、感染した所に留まってますがここから全身に広がって、新たな症状が現れてきます。
 


昨年12月に東京で性感染症学会が開催されました。

今回の話題は、梅毒。
一時患者数はかなり減少していたのですが、この5年間で患者数は約2.5倍も増加しています。

これは男性ばかりではなく、女性の感染者数も増えています。

かつては淋病と並んで性病の代名詞とされていた梅毒ですが最近では、クラミジア、尖圭コンジローマ、ヘルペスに替わられた感がありました。

性器や口腔内にできるしこりや潰瘍の症状は痛みがなく自然と消えてしまうので見逃しやすく、感染が広がる原因ともなりました。

また、これらの症状がなく6ヶ月後にいきなり全身に発疹ができる無症候性のものも多くなっているのも感染が広がった一因と考えられています。

また、妊婦が感染すると胎児にまで感染が及んで胎盤を通して感染してしまう先天性梅毒となってしまいます。

梅毒は妊婦健診で必ずチェックされますが経済的などの理由で母子手帳の交付を受けず、検査もしなければ感染を知らずに出産というケースも近年見られるということでした。

梅毒は血液検査で感染がわかります。
何かのおりに、チェックをしてみるのもよいかと思います。
 


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  • 12. クラミジア性膣炎

    白い粘液性の帯下があり、軽い痒みを伴う。自覚症状は弱いが、菌が上行性に向かうと子宮頸管炎、卵管炎を惹起する。

  • 6. 鼠径部リンパ肉芽腫

    性交による感染から7~14日に陰部疱疹に似た粟粒状のびらんが単発するが、自覚症状はない。このびらんは、男性では冠状溝、包皮内に、女性では大小陰唇、膣口、膣壁などに発生する。びらん発生後1~2週頃、発熱など全身症状が生じる

  • 11. 淋菌性膣炎

    黄色ないし緑白色の帯下がある。膣部内は発赤、腫脹の炎症状態となり、かなり痛みを伴うことが多い。

  • 2. 非淋菌性尿道炎

    排尿時の熱感や尿道の掻痒感などの尿道刺激症状が起こり、外尿道口より少量の分泌物がみられる。ときに膿尿、血尿がでることがある。なかには包皮炎や亀頭炎より波及する。淋菌、クラミジアは検出されない。

  • 9. 疥 癬

    疥癬虫(ヒゼンダニ)の寄生によって生ずる。指間、下腹部、外陰部など皮膚の柔らかsい部分に小丘疹を多数生じて、激しい痒みがある。ことに夜間に体が暖まると痒みが強まる。

  • 14. トリコモナス膣炎

    膣トリコモナス原虫によりおこる膣炎である。帯下と掻痒感を訴える場合が多い。膣内容は黄色から膿性泡沫状で、膣粘膜の発赤、充血を認める。性感染症の一種でもあるが、男性は無症状のことが多い。

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